鬼滅の刃特別読切のネタバレを掲載しています。明かされる杏寿郎の過去。杏寿郎が鬼殺隊に入り、初めての任務に行った時の話が描かれます。鬼滅の刃特別読切の内容を知りたい方はご覧ください。
鬼滅の刃特別読切のネタバレ
杏寿郎の過去
煉獄槇寿郎は「お前も千寿郎もたいした才能はない」「くだらん夢を見るな、炎柱は俺の代で終わりだ」「お前は炎柱に慣れない」と杏寿郎に言う。

杏寿郎は「百人が百人口を揃えてその才能を認め、褒め称える者でなければ夢を見ることさえ許されないのだろうか」「強烈な才能と力を持たない者の夢を叶える為の努力や誰かの力になりたいと思うその心映えには何の価値もないのだろうか」と考えていた。杏寿郎がいることに千寿郎が気づくが、「全く気配に気づきませんでした、恥ずかしいです」と言うと、杏寿郎は「何も恥ずかしいことはない」「それだけ千寿郎は稽古に打ち込んでいたのだ、素晴らしいことだ」と返す。

杏寿郎は「俺はこれから初めての任務に向かう」「その間千寿郎は家を守っていてくれ」と伝え、任務に向かっていく。杏寿郎は千寿郎に「頑張ります」「俺きっと兄上みたいになります」と言われ、最終選別で「俺、貴方みたいになりたいです」と言われたことを思い出していた。

杏寿郎は「俺も貴方みたいに強くなって仲間を、みんなを助けられる人になりたい」「鬼に家族を奪われることがないように誰も、もう誰も」と言われ、「俺はまだ柱でも何でもないのでこそばゆいが一緒に頑張ろう」と返すが、「彼は俺と同じ年だった」「最終選別で鬼に折られた刀を震えながら握り締めていた」「いつもなら言える筈の頑張ろうが一瞬詰まってするりと出てこなかったのは彼がどうしてか死んでしまいそうだったかrだ」「その時ふと父が俺たちに冷たくなった理由を考え、死なせたくないからというのが頭に浮かんだ」「父の気持ちは父にしか解らないけれど」と考えていた。

杏寿郎は一匹の鬼の前に現れる。

鬼は「ほれ、ひい、ふう、みい、九つかの」「転がっておる鬼狩りの死骸は」「儂が内臓を啜った童の死骸が五つある」「おっと、まだ童が一匹生きとるのう」「まあ、皆仲良く手でも繋いで三途の川を渡るが良い」と言う。杏寿郎は「父上がよく言っていた」「つい先日、笑いあった仲間が死ぬのはよくある話」「鬼の言動には反吐が出る」と考え、思い切り怒りを露わにする。
自分の魂の叫び
杏寿郎が斬りかかるが躱されてしまう。

鬼が笛を鳴らすと杏寿郎は耳を塞ぐ。

再び鬼が笛を吹くと、2匹の犬が召喚されていく。

鬼は「不自由なものよなァ」「刀を握ったままでは完全に両耳を塞げぬ」「両手で刀を持たねば戦えぬ」「微動だにせんな、気づいたようじゃの」「少しでも動こうとすれば転倒して踠くしかないから喃」「儂の笛の音は神経を狂わせる」「足を動かそうと思えば頭が動き、手を動かそうと思えば足が動く」「お前たち人間が日々重ねてきた鍛錬も儂の笛の音ひとつで全て無駄」「ひっくり返された虫けらのように狼狽えておる内に犬に喰われて死ぬとは喃」と言い、再び笛を鳴らしていく。

杏寿郎は「人生は選ぶことの繰り返し」「けれども選択肢は無限にあるわけではなく考える時間も無限にあるわけではない」「刹那で選び取ったものがその人を形作っていく」「誰かの命を守るため精一杯戦おうとする人はただただ愛おしい」「清らかでひたむきな想いに才能の有無は関係ない」「誰かに称賛されたくて命を懸けているのではない、どうしてもそうせずにはいられなかっただけ」「その瞬間に選んだことが自分の魂の叫びだっただけ」「そうだろう、みんな」と考えながら2頭の犬を斬り裂いていく。

そして、鬼の頚も斬り飛ばす。

鬼は「何故じゃ、耳を塞いでも笛の音は聞こえた筈」「いや、そうかあの時じゃ」「此奴、耳を塞ぐ時平手で強打し己の鼓膜を破ったのか」と考えていた。杏寿郎は「仲間が指文字でお前の能力を示してしてくれていた」「みんな体が思うさま動かない中で断片的な情報だったが俺には十分だった」と言う。

杏寿郎は泣く女を助け、「みんなのお陰で命を守れた」「ありがとう、最期まで戦ってくれて、自分ではない誰かの為に助けてくれてありがとう」「君たちのような立派な人にいつかきっと俺もなりたい」と考えていた。

